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ヨーガ雑学

アーサナ実践で大事なこと

70年代から80年代にかけて日本にヨーガを普及させた功労者の一人、佐保田鶴治氏は次の8つの条件を挙げています。

(1) ゆっくりと行うこと (2) 動作に関係するおもな身体部位に意識を向けること (3) 動作と呼吸を連動させること (4) 視線をきょろきょろと動かさないこと (5) 緊張と弛緩の交代をはっきりさせる (6) 空腹時に行うこと (7) 直後に入浴しないこと(8) 毎日怠らずに練習すること(佐保田鶴治『ヨーガのすすめ』ほか)

どれも今なお色あせない至言だと思います。

特に(8)は地味だけど重要。私の足ヨガの先生はよく「好きなポーズひとつでいいから、毎日やってね」と言っておられましたっけ。それを信じて、苦手だった「スプタヴィーラーサナ(横たわった英雄のポーズ)」を毎日やったら、初めは拷問のように感じたポーズが、ある日心からリラックスできるポーズになっていることに気がついて、驚いたものでした。

今は佐保田先生の本に「この体操は老人でも危険なくやれます」と書いてある「ウシュトラアーサナ(らくだのポーズ)」を深めるべく、毎日やっております。

憧れのポーズ、「どうしたらできるようになりますか?」の答えはひとつ、「毎日やること」。(自戒の意味を込めて)

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ヨーガ読書日記

老けたくないなら骨盤底筋を鍛えなさい!

高尾美穂『超かんたんヨガで若返りが止まらない!』(世界文化社)

骨盤底筋について知りたい人、必読の書。

骨盤底筋――今や「骨盤底筋セルフケアショーツ」なるものまで売っている、最近話題の筋肉ですが、自分では見えない場所にあるだけに、どこにあるか意識するのはむずかしいもの。骨盤底筋はその名の通り、骨盤の底で、ハンモックのように子宮や膀胱、直腸など、大事な内臓を支えています。同時に、女性の骨盤底筋には尿道、膣、肛門の3つの穴があるので、骨盤底筋が衰えると、尿漏れや、骨盤臓器脱(子宮、膀胱、直腸などが下垂して膣から体外に出てきてしまう)などのトラブルが発生しやすくなるのです。

著者は産婦人科専門医であるだけに、骨盤底筋の位置、はたらき、関連するほかの筋肉などについて詳細な説明がされています。

骨盤底筋を鍛えるためのおすすめポーズは、一般的なヨガというより著者オリジナルなもの。本書はヨガの本というより、骨盤底筋の本。全体の3分の1が骨盤底筋の説明に割かれています。骨盤底筋の奥深さを実感する本でした。骨盤底筋について知りたい人は必読。

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ヨーガ哲学

ヨーガって何?――スポーツや体操との違い

ヨーガとは何でしょう?

ヨーガの発祥は古代インドです。そしてそれは生き方すべて、ライフスタイル、宗教、思想、哲学に関わるものです。

現在世界中でもっとも広く行われているのはハタ・ヨーガといって、ポーズ(=アーサナ)、呼吸、瞑想の3つを大事にします。

ポーズと呼吸だけなら体操やスポーツやストレッチとも共通する部分があります。でも、スポーツでは人と競ったり個人の記録を伸ばすことを目標にしますが、ヨーガでは人と比べてはいけない、必ずしもがんばらなくてよいと言われます。「できること」「上達すること」「がんばること」は第1の目標ではないのです。スポーツの一種と思ってヨーガをやる人が物足りなさを感じたり、何がなんだかわからない、という感想を持つのはそのためです。

また呼吸と瞑想だけなら仏教や禅とも共通しますが、仏教や禅ではつぎつぎにいろいろなポーズをとったりしません。

ただ、仏教や禅、また広い意味での宗教が目指しているものが「精神的な幸福」ということなら、ヨーガも同じです。ハタ・ヨーガでは「精神的な幸福」を得るためにポーズを大事にします。ハタ・ヨーガが世界中で人気なのは、体を動かすということは誰でも実践しやすく、わかりやすく、心地よく、健康によいと実感できるからではないかと思います。

ヨーガを実践するのには特別な道具も、場所も、お金も時間もかかりません。さっそくヨーガの心地よさを体感してみましょう。